皆様、大変にご無沙汰しておりますが、いかがお過ごしでしょうか。C.P.Farmの阿出川です。
実は、こうしてホームページに出て来るのも、実に9ヶ月ぶりの事です。その理由は私が病気にかかってしまった事によるのです。今も実家に近い東京の病院で療養生活を続けています。
しかしこの療養生活というのもやってみると、なかなか良いもんですなッハッハッ!
先生は心優しく信頼できて、看護婦さんはどれもこれもみんなきれいで優しいし。もう入院生活はまさにバラ色に輝いて実にハッピーな療養ライフをエンジョイしております。
さて、実は私の病というは「肺癌」です。癌細胞は、肺以外にも転移を広げ、今では一般的には【Stage4 末期癌】と呼ばれる極めてシビアな状況にあります。でも、そんな事は私には関係ない事です。ご心配なさらないで下さいね、私は大丈夫ですから。それは病名を知らされた時はショックを受けましたが、今は完全に事実を受け入れ、毎日充実した輝くような素晴らしい日々を過ごしています。病気を完全に克服するとまでは言わないまでも、共存する事、少なくともなんとか折り合いを付けつつ、私のガン細胞とうまくつき合って生きていく事を目指しています。
私は生まれ変わりやソウルメイト、死後の世界等という事を100%信じているので、死という事に対して、あまり恐れは感じません。というよりも、丹波哲郎ではないけれど、死後の世界に行けばきっとそこでは「人間はなぜこの世に生まれ、どこへいくのか?」「宇宙の端はどうなっているのか?」等の究極的沢山の大疑問の答えが明かされるのかも知れない?と思うと、それはゾクゾクワクワクする楽しみな事でもあります。しかし、一方で3歳になったばかりの本当にかわいいかわいいひとり人息子の行く末や、心から私に尽くしてくれる愛する我妻、父に10数年前に先立たれその寂しさが癒えたばかりの母や妹の事等を考えると、いてもたってもいられない愛おしさに、あふれる涙をこらえる事が出来ません。
加えて、やっとの事でもうすぐ大きく花開くまでにこぎ着けた、価値ある事業の事もあり、やはりなんとかもう少し長く生きようと思うものです。
話は変わって、私はありがたい事に様々な人とのつながりにすごく恵まれており、人生のターニングポイント又はピンチ等の人生を左右する様な時には、不思議と誰かの思いもかけない助けが得られ、ここまでやって来れました。ありがたい事です。
特に私独自の特別な事柄として、今や10,000名にも届こうかというC.P.Farmの会員様達がいて、中には親友と呼べる間柄になった人も沢山います。
代表的会員様像と言えば30〜50代の医者やIT関連企業の社長等、知的で、生活にも比較的恵まれ、対人的にも紳士的かつ個性的な人が多く、そしてリーフアクアリウムを知る事から、自然でのサンゴ礁環境への知識も高く、その素晴らしさや大切さを強く願っている素晴らしい人達ばかりです。 絶望的な地球の未来の中で、私がポジティブな未来像を少なからず持ち続けられるのも、時代のニーズに合わせて人の考えも変わり、彼らのように新しい考えを持つ、時代に即した人達がどんどん増えていくのを肌で感じているからかもしれません。

留守中のC.P.Farmは・・・
さて話は変わりますが、今回の病気の発端はと言えば、昨年9月、海中深く潜って配管工事や台風対策等、くたくたになるまで働く日々の最中、胸に痛みを感じ、地元の八重山病院で診察を受けに行きました。そこでの診察結果は病名不明なのでより大きな病院で見てもらうよう言われ、都内の大病院で診察を受けた所「がん」である事が発覚し、そのまま入院となってしまいました。2週間程でなんとかなって石垣に帰ってくるつもりで、引き継ぎもほとんどなしに、会社をあとにしたまま、このような事になるとは、夢にも思いませんでした。
病気になる前の私を振り返ると、休み無く尻に鞭打って働かなければ、おちおち休んでなどいると、すぐに誰かに足元を鋤くわれるぞ!」と言われるような漠然とした「世の中そう言うものなのだ」という行き過ぎた社会からの教えが深く根付き、その強迫観念に取り憑かれていました。だから2週間どころか数ヶ月以上にわたって仕事から離れるなんて、考えられない事でした。でも、ふたを開けてみると、驚く事にスタッフ全員でよりいっそう頑張って、私の不在を補うべく創造力を働かせて素晴らしい働きをしてくれているのです。これには本当に目から鱗が落ちる思いでした。
世の経営者の皆さん!もっとゆっくりと自分の人生を楽しみましょう!人生は楽しむ為にあるのですから。そして、組織というものは、そう変えようと思えば、変える事が出来るんですね。生活のバランスを考え、無理をしないで自分や家族、友人等の人や自分の時間を大切に。それが経営者にとっても、また従業員にとってはなおさらの事、必要なのではないかと思いました。
新しい経営陣
さて長期のリーダー不在で、さらに今後の復帰目処も立たない不安定な状況では、予想できない状況や環境変化に対応することは出来ません。従って私はC.P.Farmの社長から退き、新たな経営陣でリニューアルすることになりました。新しい経営者は代表取締役に請盛宏明、専務取締役に近藤康文を新たに加え、より洗練されパワーアップした形に生まれ変わりました。
代表取締役の請盛宏明(ウケモリヒロアキ)は、C.P.Farmの専務取締役として私と共に最初の一歩からC.P.Farmを立ち上げ、運営してきた石垣のウミンチュで、数いるウミンチュの中でも超能力と言って差し支えない、驚異の自然に対する感覚と知識、能力をもった頼りになる大黒柱です。
専務の近藤康文(コンドウヤスフミ)は、経営における知識や能力に長けている事はもちろんですが、C.P.Farmの目指す自然との調和の形や、またこれからC.P.Farmが実現していく壮大なビジョンを、誰よりも深く理解、共感してくれて、それらを現実のものにしていけるのはこの人しかいないと確信しお願いに行きました。
幾度も一緒に石垣に行き、これからのアクアリュウム業界の進むべき方向や、サンゴ礁環境の現状と我々が出来る事等について、熱く語り、引き受けてもらう事が出来ました。
これからのC.P.Farm
C.P.Farmは「自然と調和しながら、自然の素晴らしさや大切さをより多くの人に伝える事」を企業理念にスタートしました。そしてその事を実現する為の準備を整える資金を得る為に、当時最も安易な方法として天然の観賞用ソフトコーラル等を採捕し個人向けに販売する事業を立ち上げ運営しつつ、本来の目的に向けた準備を着々と行ってきました。
そしてやっとの事で、当初の目的を実現できる、従来にない素晴らしい施設が出来上がりました。この設備を生かして、皆様をあっと驚かせる様な様々な画期的商品を世に送り出して行きますので、ぜひご期待ください。自然と調和するビジネスというテーマは、想像するより遥かに難しく、困難な事です。しかし、これからの時代のビジネスは、そうでなければいけないし、また誰もがその事を望んでいる事でしょう。
そこに辿り着くまでには、まだまだ厳しい苦難が伴う事でしょうが、あえて、その道を選び目指す、請盛、近藤をはじめとする新しいC.P.Farmスタッフ一同に、是非皆様の、従来同様と言わず、従来にも増して、皆様方の温かいご支援を頂きたく、心よりお願い申し上げます。
Coral Action再始動?
私(阿出川)は?と聞かれるならば、私はしばらくは病気の治療に集中し、当面は今の楽しい療養ライフを存分にエンジョイしたいと思います。そして、病気が一段落したら是非、現在中断している「サンゴ放流プロジェクト Coral Action」に再び取り組みたいと思っています。今の中途半端のままでは、お申し込み頂いた皆様に申し訳が立ちませんし、前回で明らかになった数々の問題点、特にサンゴの移植技術においてはその後大きく進歩しております。
また私の身体が不自由であっても、仕事内容を工夫して、現場で作業をおこなう体力自慢の若者を雇い、私はベッドの上からNETを通じて、現場への指示やweb作成等の仕事を行う形で、事業を進められるのではないかと思うからです。私としてもそうして病床から石垣島の海と繋がっていられたら最高です。
希望の灯火はもっと強くもっと明るく・・と多くの人がさらに力を貸してくれる、そのような集まりが徐々に増えて、新しい時代が訪れるのではないでしょうか
皆様へ 本当に今までありがとうございました
C.P.Farmがスタートして、はや10年。本当にいろんな事がありました。知り合いも金も何もない状態から、中途半端ながらここまでくる事が出来たのは、縁あって知り合った多くの方々の心優しいご協力の賜物です。本当に有り難うございました。
病気により中途で仕事から離れなければならない事は、寂しい気持ちも正直なところ否めません。でもこれだけ好きにやらせてもらったのですから本当に悔いはありません。
もしこの先、私に万が一の事が起きてC.P.Farmの行く末をこの目で見られなかったとしても、いつかこの夢が大きく花開き、それが八重山のサンゴ礁を回復させる力の一部分となれれば、それは私にとって最高に嬉しい幸せな事です。そして各分野の専門家がそれぞれの得意とする力を合わせて、この美しいサンゴ礁の海を我々の子供達の世代に伝え残す、その力の一部として、我々が貢献出来る様になれれば、これ以上の喜びはありません。
そのような意味も含めて、今後のC.P.Farmを推し進めていく新しいスタッフに、是非皆様の応援を頂き、力を貸して頂きたく、何卒よろしくお願いいたします。
そして最後になりますが、皆様、今まで本当にありがとうございました。
心優しく紳士的な会員の皆様をはじめ、関係者の方々知人、友達、そして社員のみんな・・・私たちの周囲を取り巻く人達がそれぞれに素晴らしい人ばかりで、こういう人達に囲まれて、いつも本当に私は幸せな人間だと思うのであります。多くの人の優しさに触れ、思いかえすたびに人生の素晴らしさに感激するばかりです。
皆様本当にお世話になり、親切にして頂いて、本当にどうもありがとうございました。
皆様の、今後のご健康と幸福に満ちた人生を、こころよりお祈り申し上げます。
2005.8.14 阿出川 隆之